課長の溺愛に付いていけません

「……部屋で休もうか。姫花ちゃん。」

「いえ、だ、大丈夫……」

そしてグルグル、世界が回る。

「遠慮しないで。」

すると阿部課長は、私を抱えてレストランを出てしまった。

今だ!

「もう大丈夫ですから。」

「まだ、顔が白いよ。大丈夫じゃないでしょ。」

あっと言う間に、エレベーターに乗せられ、ホテルの10階に着く。


「ここからの外の眺め、すごくいいよ。」

そう言って阿部課長は、私を窓側にある椅子に座らせた。

「水、持ってくるね。」

クラクラ回る世界の中、外の景色なんて、気にしてられなかった。

とにかく、早く酔いを冷まそうと、阿部課長が持ってきた水を、一気飲みした。

「はぁはぁはぁ……」