「はい?」

すると、相手の担当者はプッと笑った。

「えっ……と……」

「ごめんごめん。ものすごいクールビューティーが来たから、どんな名前なのかなって思って。そうしたら、正反対の名前だったから、つい。」

担当者が言うと、周りの人達もクスクス笑いだした。


一緒だ。

小さい頃と。


『おまえ、名前負けしてんのな。』

『姫花ちゃんって、全然お姫様って感じしないね。』

あの嫌な時が蘇る。


「姫……」

橋本君が話しかけてくれて、ハッとした。

そうだ。

これは、仕事。

私が相手の機嫌を損なって、取引が無くなったら、責任を負えない。

「……はははっ。そうですよね。自分でもそう思います。」

「あっ、そうなの?」