家族でも、幼なじみでもなくて。

目を覚ますと、見慣れない天井があった。


えっと、私は……


「優衣、起きた?」

「太一くん…?」


あ、そうか。
家を飛び出して太一くんの家に来てたんだ。
それで、私は泣き疲れて寝ちゃったのか。


「いま何時?」

「夜の7時だよ」

「え!? 帰らないと!」

「大丈夫だよ。母さんが電話をして、優衣のお母さんにお泊りの許可とったから」

「お泊り!?」


太一くんのお家に……!?


「安心して。俺は優衣に何もしないからさ」

「べ、別に…そんな心配してるわけじゃないけど…」


小学4年生が言うこと!?

って、私もまだ小学生だけど……


「優衣の分のご飯もあるけど、食べる?」

「……うん」

「じゃあ、1階に行こうか」