「優衣ちゃん! お迎えにきたよ〜」


毎日飽きないのかな。
全く相手にしないのに……


「愛海、早く帰ろ」

「ねぇ、優衣ちゃんってば!」

「うざい。私は愛海と帰るの! 毎日迷惑って言ってるでしょ!?」

「優衣ちゃんは今日も冷たいなぁ。そんなところも好きだけど」

「りっくん!」

「なーに?」

「そういうことさらっと言うのやめなよ!」


りっくんは目をパチパチさせて、不思議そうに首を傾げた。

そんな幼なじみのことが私は嫌いで仕方がなかった。

やめてって言っているのに教室にくるところも、さらっと好きって言うところも、わざと可愛くみせているところも全部嫌い!


「でも、昔と変わらず今でも“りっくん”って呼んでくれるってことは、僕にもまだ希望はあるってことでしょ? 好きになってもらえるように、好きっていっぱい言うからねっ!」

「そういうところが嫌いなの!」

「今は嫌いでもいつか好きになるよ! 僕は信じてるからね!」


ポジティブすぎる。
こっちはこんなに嫌いって言ってるのに!