「奏一郎、来てたのか」

「あ、でんちゃん!遊びに来たよ!!」

階段を降りて来たのは、多分奏の友達。
奏の友達のご両親の店って言ってたし。


友達って言う割に奏とは全く雰囲気が違くて、柔らかさの欠片もない。こっちを見てくる鋭い視線は、値踏みされてるみたいだし。全く、歓迎されてる気がしない。


「あっ、この子が玉木 花ちゃんでたまちゃん。
俺の彼女ね。」

「それで、こっちが楓で、でんちゃんだから」

くるっ、くるっと顔を向けながら、まとめていっぺんに紹介をした。


楓さんが軽く頭を軽く下げたから、慌てて私も挨拶をした、のはいいけど場所も人も私にとっては全く知らないものだから居心地も悪いし、アウェー感が半端ない。

そんな私とは対照的に奏はすっかりくつろいで、楓さんと喋ってるし。