カレーを食べている藤崎さんの所作は、とても美しく気品にあふれていた。
本当に、美しく美味しそうに食べる姿は見ていて、うっとりするものであった。
「教授、本当に料理うまいですね。
見ていて包丁さばき慣れてましたもんね。」
「ふふふ、ありがとう。
そういう五十嵐くんも1人暮らしはじめたばかりには見えなかったよ。
実家でも料理はたまにしてたのかな?」
少ししかやっていないのに、ちゃんと見ていてくれていたことが、すごく嬉しかった。
「いやいや、実家では、ほとんど母親任せですよ。
東京きて必死に自炊しながら慣れていっている途中ですよ。」

