その姿は、あまりにも今の僕には眩しいものだった。 不意にそよ風が吹き、彼女の黒く艶やかな髪は青空に舞った。 その姿さえ、美しいと感じた。 本当に多くの時間が経ったことに、自分自身驚いている。 「ねぇ、五十嵐くんは何学部なの? 私は文科Ⅲ類で教育学部志望なんだけど。」 「俺も文科Ⅲ類。でも進振りで文学部に進むつもりだよ。」 「へ~、同じなんだね。じゃあ、これから同じ講義とることがあるかもしれないね。」