翌朝。


部屋に現れた彼に、


「病人の真横でご堪能?」


蔑んだ目を向け、吐き捨てる。




「堪能……っつうか、これで飯食ってるから」


そんなわたしに平然と答える彼が不可解。


「娼婦ならぬ……娼夫だから、俺」




彼の微笑みは、無駄に美しかった……。



娼夫……。




「なんで……」



蔑んだ目は、言い知れない哀れみに変わっていた。


理由はわからない……。


でも、



胸を張って言えるような職業じゃないことは間違いない。


「なんでそんな……」


職業を……。



「生きてく為?」


「……そうだな」


例え生きてく為だからって体を売るだなんて……、



落ちぶれた人間のすることだ。




「おまえ、名前は?」



「……ジュラ」


「親がつけたのか?」


「……そう」



それを聞いて、彼は特に何かを言うわけでもなく、



ただ、


「ジュラ」



と、小さく呟いた。



「体は?」



「……平気」


そう言って、ベッドから立ち上がろうとしたとき、



「……おまえ、男に抱かれたことある?」



彼は、わたしに囁いた。