気がつけば柔らかい暖かいベッドに沈んでた。



殺風景な部屋の窓から、鬱陶しいくらいの日差しが差し込んでいる。



なんだ……、




生きてんのか……。



「熱い……」



体の中が熱かった。

なんだろ……熱でも出てるみたいな……。



「起きたか? バカ娘」



部屋の奥から現れたのは、



ただダルそうな目でわたしを見下ろす、綺麗な顔の男だった。



「……なんで助けたの」


「嫌なら見つからんところで死ね」


差し出されたグラスの水がこぼれそうに揺れた。



「いくら夜中でもあんなとこ立ってたら目につくだろっ」



グラスを受け取ると、そいつは空いたその手をわたしの額に押しつけた。



ヒンヤリした体温が気持ちよかった。


男はベッドの端に腰掛け、斜めにわたしを見る。



「だいたい……あんなとこから落ちて死ねんの?」



……実際死ねてない人間を前にして聞くな……。



わたしはわざと無視してグラスの水を飲み干した。



「鬱陶しいモン拾ったな……」


男の呟き。


それはわたしを差してんの?