俺がいちばん守りたい人


            *電撃引退*
                           
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「---皆さんも我が校の一員として、」

あれから3日くらいかな。いつまでたっても尋野は見つからない。休み時間のたびに歩き回っても影も形もない。尋野は本当に実在していたのだろうか?誰かに聞けば知っているのかもしれないが、自分の力だけで見つけてみたいという変な意地があった。ここまで見つからないからかもしれない。
だからなのか、全校集会の校長の話も全く聞いていなかった。

ざわざわ

急に周りが騒がしくなる。ステージを見てみればいつの間にか校長ではなく、イケメンで有名な生徒会長さんが立っていた。

それにしても周りがうるさい。何かあったのかな?


『おいおい。冗談だろ、陽月』

『冗談なんて言うはずがないだろう、国近。俺は本気だ』

『まだ半年だろ!』

『それでも辞めるぞ』


辞める?何を?

ステージの上で生徒会長さんと役員の2年生がもめていた。


『それでは改めて。俺、九条陽月は生徒会長を引退する』


は?
いきなり何言ってんのこの人。そもそも勝手にやめていいものなのだろうか。ちらりと校長をみると苦笑いだ。
いや、止めようよ。


『早めに国近に任せたくなってな。よろしく』

『早すぎるだろ!』


何やらコントみたいなことを始めたので私は尋野探しを始めた。何か最近思うけどストーカーっぽいなコレ。