*いじめっ子*          
____________________________________________________________

満開の桜がひらひらと散っていく、それと一緒に私の髪も
風と散っていこうとしていた

地元の中学から離れた遠い高校に進学したはず…

それなのに中学の頃のいじめっ子と高校が一緒でした

私は今、髪を切られようとしています


「やだっ!やめて!」

「なんでアンタがここにいんのよ!!」

「またここでも男あさるんでしょ!ビッチ!!」


ジャキッと音がした瞬間、目の前が真っ黒になった
髪、切られちゃったな……
またこれから何かされるんだろうか……?


「大体、アンタが色んな男に色目使ってるから!!」

「何やってんだ」


私が殴られそうになったとき、低い声が上から降ってきた
上………?

とっさに上を見ると男子が桜の木の上に座っている
危なくないですか……?

その人は猫みたいにぴょんと飛び降りるとこっちに歩いてきた


「イジメか…?嫌がってるだろう、やめてやれ」

「なによ!こいつが何したか知らないくせに!」

「やめろと言ってるだろう、教師でも呼んでくるか?」

「…ねえ、やめといたほうがよくない?ヤバイよ…」

「…ッチ、行くよ」

「あ、待ってよ!」


いじめっ子達は教師にバレたくないのかスタスタと逃げていった

残ったのは私と助けてくれた人

お礼、言わなきゃ!


「あ、あの、ありがとう、ございます…」

「ああ」

私達の間に気まずい沈黙がおとずれた