メガネの奥の美人さん


そんなこんなで…。

後輩君は、今。
あたしの部屋の小さいクッションに、
大っきな体で、ちんまりと座っている。


だんだん酔いも覚めてくると…
この状況に、緊張してきた。


あたしが出したコーヒーを、余裕の顔で
飲んでいる姿を見ていたら、
やっぱり悔しくなってきて。


稲葉君、メガネ外してみて?


え?やだ。見えないもん。


あたしは見たいの!
メガネ外すと、全然感じが違うよね。
普段から、コンタクトにしたらいいのに。



俺…自分の顔キライなんだよね。



え?なんで?



小さい頃から、女の子みたいだって
よくからかわれて…。
目が悪くなって、メガネかけたら
全然言われなくなって…
ほんと嬉しかったなぁ。


そうなんだ…。


まあ、大人になってからメガネを
外す機会も無くなってたけど…
俺の顔見て、あんな素直に褒めてくれた人は
ミカコさんが、初めてだったよ。


美人さんって、何?って…
最初は、またバカにされたのかと
思ったけどね。

メガネかけて、ミカコさんの顔見たら…
なんか、目がハートだなって。

そう言って、クスクス笑う。



え!?うそ…。