妄想彼氏

「食べて帰ります!」


勢い込んで、わたしはうなずいた。

そして、基くんと一緒に寄った中華料理店で食べたラーメンの、おいしかったこと……!

基くんは常になにか部活のこととか友だちの話とかしていたし、わたしはそれを聞きながら食べるのがとても楽しかった。

とっても楽しくて、貴重な時間だった。

途中まででいいと言ったのに、基くんはわたしの家の前まできちんと送ってくれて──。


「ありがとうございました!」

「樫原が濡れなくてよかった。じゃ、またな!」


元気よく走っていく基くんの後ろ姿を、ぼーっと見ながら……気づいた。

これって、恋だ。

わたし、基くんに恋しちゃったんだ……!