教室の後ろでやり取りを繰り広げていたわたしは、額に人差し指と中指とを当て、うーんと念ずる。
七海に渡されていた「こんな彼氏がいい」というメモを見る。

・溺愛してくれる彼!
・とにかく溺愛!
・なにをおいても溺愛!

……わかりやすいな。
でも結局はみんな、溺愛してくれる彼氏を望むんだよね。
わたしだって、彼氏ができるなら溺愛してくれる人がいいし──と、妄想しなくちゃ!

気を取り直したわたしは、目を閉じてひたすら念じた。

(わたしの親友、小塚(こづか)七海を溺愛してくれる、とにかく溺愛一番の男の子……)


「でてこーい!!」