妄想彼氏

自分に特殊な能力が備わっていると自覚していた。

自覚はしていた、けれど。

まさか自分に“ふりかかって”くるなんて──!


「日菜子(ひなこ)──好きだよ。愛してる」


目の前に現れて突如抱きしめてきたイケメンくんに、わたしはただただ呆然と突っ立っていることしかできなかった。