「…沙恵」 「お父さん…」 やっぱりお父さんだった。 お父さんは暴走族にも劣らない威圧感で周りを圧倒している。 「翔炎総長美風伊月。沙恵を返してもらいたい」 総長って伊月だったんだ… ってそんなことより、なんでお父さんがそんなこと知ってるの…? 「沙恵が嫌がるのなら返しません」 伊月もいつもの優しい感じではなく、少し殺気立っていた。 「…沙恵、我儘もいい加減にしなさい。俺たちはお前に将来幸せなちなってほしいから厳しくしてるんだ」