本当のワタシ

そのまさかだった。


戦いがやっと見える所まで来た時、男は大声を出した。


「姫をとった!!!!」



男の仲間から歓声があがり、翔炎からは驚きと絶望の声が上がった。



「沙恵…!」



「フッ…さぁ翔炎、負けを認めてもらおうか?」


「くそっ…」



伊月が悔しそうな声をだした。

これは、私がどうにかするしかない。


この男は私が弱い姫だと思って油断している。


…よし



私は男の足を思いっきり踏んだ。


「うぁっ!?!?」


そして、手の拘束が緩んだ隙に振りほどき、男の正面から回し蹴りをした。



「カハッ…」


男は倒れ、そのまま意識を失っていた。