コンコン…
応接室に通され 専務と二人待っているとノックされる。



「やぁ氷室君久しぶりだね。あれ?いつもの秘書の人とは違うんだね?」



高藤社長が私の顔を察知して、少し黙る。



「お久しぶりです高藤社長。うちの新しい秘書で、水瑠です。」



「水瑠と申します。よろしくお願い致します。」


はぁ…高藤さん危ないよ。氷室専務にはバレてないみたいで良かった。



「スゴく綺麗な人だね。レオンがスゴく喜びそうだよ…」



え?レオがいるの?


コンコン…
扉を叩いて入って来た外国の人と目があう。


やっぱりレオだ。


ニコッっ彼が笑う…
私だと気付いても無視してね?
必死でアイコンタクトを送る…


レオンは私の意図する事を理解し スルーに成功。


「レオン、今日の君の相手は、水瑠さんだ。」


『水瑠。よろしく。』


レオが別室前で待っている。


「ああ、彼はいつもビジネスは日本語ではしないんだよ。水瑠さんはフランス語の方は?」


「はい、私は人生の半分以上フランスに住んでいたものですから母国語のようなものです。」


「それはレオンも仕事が捗る。頼もしい美人秘書さんだな。」


コンコン…


「ハハ…レオンが早くしろってイラついてる。水瑠さん、よろしくお願いします。」


「では 行って参ります。」


ニコリと笑いながら ドアを引いてくれるレオに 最大級の笑顔を引っ提げて部屋へと入った。