家に帰ってから、

暁に夕くんの電話番号を聞く勇気は、わたしにはなかった。


家にもうすぐ着くころ、目の前には暁がいた。


「...暁?」


「スーパーの中で迷子かと思っただろ」


「それはいくらなんでもない!」


「...心配させんな」


わたしの帰りが遅いから、迎えに来てくれるところだったのだろう。


「...っ。

暁、心配症だよ。

でも、ありがとね」


暁は、優しい...。


夕くんの電話番号どころか、夕くんと同じ学校なんだね、同じ部活なんだね、も言えなかった。


暁の顔を見たら...


...なぜか聞けなかった。