「カレーなくなった」


その日の夜。


暁は最後のお玉一杯をすくって、部屋から出てきたわたしにそう言った。


「えー!わたしのぶんは?」


「ない」


どうやら一食分しか残っていなかったみたい。


仕方ない、わたしはほかのもの食べるかぁ。


お鍋いーっぱいに作ったあのときのカレー。


冷蔵庫と言えど、これ以上は置いとけないかなと思っていたからちょうどよかった。


「暁、こんど休みの日に新しいカレー作って!」


わたしは麦茶をグラスにつぎながらそうお願いした。


「お前作れるだろ」


「...一人で作れるとでも?」


「それは...あぶねぇな」


「ってのらなくていいからー!!一緒に作ろうよ!」


「だな」


相変わらず掃除も洗濯もゴミ出しもわたしがしてるけど、

そこそこ暁と仲良くやってます。