家に着いてすぐ、仏壇の前に行く。



……お父さん、お母さん、ただいま。


今日から学校が始まりました。


実力テストがあって、そこそこの点数を取れたと思います。


いい点数のがあったらまた報告するね。


教室は何も変わっていなかったよ。


また何かあればお話します。



閉じていた目を開けると、一気に現実が襲ってくる。


どれだけ話しても、本当のことは何一つ言えない。


相談して、気持ちが軽くなったと言い聞かせているだけで。


ただの自己陶酔でしかない。


本当は、いじめの事実を口に出して言うのが怖いだけなんだ。


言ってしまったら、止まらなくなるのは目に見えている。