隣で絶句するのが分かった。
これ以上言わなくて正解だった。
「では、火をつけてもらった人から流してくださーい!」
係員のおじさんが言って、どんどん火が付いて、それが川に流されていく。
私のところにも回ってきた。
「……ありがとうございます。」
火がついてから、ゆっくりと流した。
「……綺麗だな。」
「うん。」
私が、これ以上囚われなければもう2人は旅立てる。
だから、これで終わり。
その意味もあって、今年の灯篭流しはすごく大きな意味を持っていた。
「強いんだ。」
「……どうして?」
「こういうのって、普通は親なんかだと泣きたくなるんじゃない?」
「……泣かない方が、お互いにいいから。」


