何ヶ月ぶりかに心が生きていた。


それほどに楽しかった。


射的が終わった雪村くんに声を掛けた。


「……私、もうすぐ灯篭流しがあるから行かないと。」


暗くなった頃にこの祭りは灯篭流しをやるのだ。


「え、星野も流すの?」


「うん、まあ。」


「俺も行っていい?」


言われなくても、付いてきて欲しかった。


誰かが見ていてくれないと、私はパニックになってしまいそうになる。


「全然いいよ。」


私達は川辺に歩いていった。


名前を言うと、受付のおじさんが灯篭を2つくれた。


「……誰と誰?」


事情まで言うべきか迷ったけれど、結局言わなかった。


「お母さんとお父さん。」