「……え、と。……ごめんね?」
とりあえず、申し訳ない気がして謝った。
「いや、星野が謝ることじゃないからいいよ。」
「じゃあ、私帰るから。」
席を立った時、パシッと手を掴まれた。
「……何?」
「あのさ、夏祭り一緒に行かない?
この辺りで8月後半にやってるやつ。」
少しだけ、彼の顔が赤かった。
慣れないのかな。
「……いいよ。
じゃあまた、その時に。」
「じゃあな。」
廊下を歩きながら、私は不思議だった。
どうしてだろう。今までは何も無かったのに、今日は脈が早い。
疲れているんだろうな。
きっと慣れないことをしたからだ。


