「いい加減にしろよ。
高校生にもなってみっともねえ。
手なんか出すな。」
ビンタされるって思って目をつぶって顔を背けていたけれど、いつまでも何も起きないから、目を開けると雪村くんが上村さんの手を掴んでいた。
「……何なの。」
そう言ったかと思うと、彼女は取り巻きと一緒に帰っていった。
バタン、とドアが閉められて、私は自分の席にへなへなと座り込んだ。
「よく頑張ったな。」
「……ありがとう」
「怖かっただろ。」
「……平気だったよ。
それに、誤解されっぱなしの方が私は嫌だったから。」
「……え。」
え?私、何かまずい事でも言った?
すごく落ち込んでいる。


