雨の後は、きっと虹がかかる



「……あ、……あ、」


「ちょっとー。

会話くらいまともにやってくれないと、こっちも困るんだけどー。」


私はただ、安心するってことを感謝の気持ちも込めて伝えたいのに。


どうしてうまく話せないの?


「何か言いたいんだろ。

落ち着いて言えばいいから。」


ほら、また安心した。


すごいよ、雪村くんは。


「……あ、安心、……するの……。

ゆ、雪村くんに……、話しかけて、もらうと……。

……すごく、……すごく、落ち着くの……。」


上村さんがいても言えた!と嬉しくなった。


でも彼女は甘くなかった。


「話せるじゃん。

話しかけてもらおうと聖の気を引いていたんでしょ。」