「それに、今1人を大勢で囲んでただろ。
俺、そういうの見ているだけですごく嫌だから。」
1人とは当然私のこと。
……庇ってくれているの?
「やっだなあー!
囲んでいたのは星野さんの持ち物がすごく可愛かったからだよ!」
嘘をつく時、彼女は美しい笑みを浮かべる。
「今、星野の机の上には何もないだろ。」
「……それは、」
このまま行くとまずい。
庇ってくれるのはありがたいけれど、次に会った時が倍にやられる。
「……もういいから。」
「何なの、あたし達しかいない時は声が出ないくせに、聖がいる時だけは声が出るんだ。」
それは私も疑問に思っている。
理由は分からないけれど、すごく安心するからだと思う。


