これ以上、何も頭に入れないように廊下に出た。


教室以上に蒸し暑かったけれど、話が飛び交っているよりはましだった。


時折吹いてくる風に当たって涼んでいると、担任の先生が廊下を曲がってくるのが見えた。


ひとつだけ小さなため息をついて、教室に戻った。


「ホームルーム始めるぞー」


その声は、夏休みの予定を立てている生徒には響かない。


「みんなー、先生来たよ!」


上村さんが言うと、一発で静かになった。


「さすが上村さん。本当に優秀だな。

皆さんもこれからは静かに待つように。」


こういう風にクラスの人達を簡単に黙らせられる上村さんは凄いと思う。


たぶん、私の例を見ているから同じようになりたくないっていうのが丸わかりだ。