「俺が周りの目に耐えられなくなりそうなその時、一緒に拾い集めてくれた人がいたんだ。

俺、涙目になりながらその人に拾うのを手伝ってもらいながらどうにか拾い終えたんだ。

お礼を言ったら、その人は一緒に頑張ろうって言ってくれて。

そのお陰で、俺はこの高校に受かったんだ。」


……私のこと?


まさか、とは思ったけれど、でも確かに筆箱を拾った覚えはある。


その先を雪村くんは続けた。


「入学式の時、その人にまた会えないかなって探していたんだよ。

そうしたら、その人は隣のクラスにいて。

俺、すっげー嬉しかった。

あの人と同じ学校で勉強出来るんだって。

たまたま英語と数学の習熟度別のクラス分けが同じだったから、勉強を頑張って同じクラスに行ったんだ。

でも、その人はすぐに分かるんだ。

……髪の毛が、金の混じった茶髪だから。」


間違いない。私だ。


あまりの恥ずかしさに死んでしまいそうだ。