落ち着いて、ふと横を見ると、雪村くんがいた。
……なんで……?
学校は、休んだはず。
「聞こえたんだ。」
届くはずのなかった私の声が、届いていたの……?
「俺、学校に遅刻して行く予定だったんだ。
テストには間に合わなくて、家にそのまま引き返したんだけど、提出物があったことを忘れていて、学校に戻ってきたんだよ。
提出が終わって廊下に出た時、騒ぐ声が聞こえたんだ。
明らかにそれは悲鳴だったからおかしいと思って、見に来たらこうだった。
先生にも万が一のために来てもらったんだ。」
……それで、分かったのか。
「……じゃあ、私を助けてくれたのも……?」
まだぐずぐずの鼻声で聞く。
「そ。それで。」


