雨の後は、きっと虹がかかる



……こいつ、本気で言っているの?


私の無言を肯定と受け取ったのか、顔が近づいてきている。


「楽しめよ?」


このままじゃ、本当に……


「助けて!」


その時、私は本能的に間一髪のところで逃れた。


そして、無意識のうちに叫んでいた。


「助けて!雪村くん、助けて!」


ここにはいないから意味が無いのに、どうしてだろう。


それでも、声を上げれば雪村くんは助けに来てくれると思った。


「お前なんかのところに聖は助けに来ねえよ!」


首根っこを掴まれる。


「なんでお前なんだよ……!」


首が、苦しい。


「や……!……やめ……苦しっ……!……」


「ほんとに、死ねよ。」


「……やっ……!かはっ……」


本当に死んでしまいそうだ。