雨の後は、きっと虹がかかる



いいことである予感より、悪いことの方の予感が働いた。


恐ろしい程の無表情をたたえた顔が、近づいてくる。


ただひたすらに怖い。


さっきまであれだけ出たはずの声が出ない。


恐怖で歯がカチカチ鳴り、呼吸は荒くなってヒュッと喉が鳴る。


その瞬間、後頭部に手が回された。


いや、正確には珍しくポニーテールに結んだ髪の毛を掴まれた。


どんどんゴムが緩んでいくのが分かる。


……止めてよ。


なのに、いともたやすくゴムはほどかれ、長い伸びきった髪の毛が空中に放たれた。


「……なに、するの……?」


目の前の彼は不敵に笑った。


「決まってんだろ。

ヤるんだよ。」