……ああ、そうか。
私、今までみっともないって思われるのが嫌だったのかもしれない。
立ち向かうことよりも、自己保身に走っていたのか。
そんなことをして、いいことなんて何一つ無かった。
……だから、今はみっともなくていい。
それほどに生きたい。
「痛いから止めて!」
「うるさい!」
またビンタをされる。
頬の痛さなんて構っていられない。
上村さんの足を掴んで動かそうとしたら、より強く、踏みつけられる。
「離して!」
「黙れよ!」
もうヒールの部分が手の甲の骨を砕きそうだ。
力が入らない。
「痛い!」
「あんたの分際でごたごた言うな!」
「止めて!」
久しぶりに叫んでいるからか、喉が痛い。


