いじめる側の心理なんて、こっち側の人間は、一生分からない。
「あんたが、あたしの立場を全て奪い取ったからだよ。」
どういうこと?と思い、上半身を起こしたら、取り巻きの1人に地面に押さえつけられた。
肩がじんじん痺れる。
私の状態なんてお構いなく、どんどん殴られ、蹴られる。
ふと、上村さんがいいことを思いついたような顔をした。
「みんな、こいつやっちゃっていいよ。」
「まじで、お前本気?」
さすがにやばいと思ったのか、1人の男子が言う。
「何?ユウト、今更抜けられると思ってんの?
ここに来た時点でみんな同罪だよ。」
その言葉は奇妙な説得力を持っていた。
「……一緒なら、そうだよな。」


