雨の後は、きっと虹がかかる



いじめる側の心理なんて、こっち側の人間は、一生分からない。


「あんたが、あたしの立場を全て奪い取ったからだよ。」


どういうこと?と思い、上半身を起こしたら、取り巻きの1人に地面に押さえつけられた。


肩がじんじん痺れる。


私の状態なんてお構いなく、どんどん殴られ、蹴られる。


ふと、上村さんがいいことを思いついたような顔をした。


「みんな、こいつやっちゃっていいよ。」


「まじで、お前本気?」


さすがにやばいと思ったのか、1人の男子が言う。


「何?ユウト、今更抜けられると思ってんの?

ここに来た時点でみんな同罪だよ。」


その言葉は奇妙な説得力を持っていた。


「……一緒なら、そうだよな。」