片足を空中に投げ出した時、ふと、違和感を覚えた。
……あれ。何か違う。
……ここは、私の居場所じゃない。
私は、もっと違う場所に居場所があったはず。
今までは天国のように思えたそこは、実は天使の顔をした悪魔の棲む所だった。
ぞっとした。
何があっても、死ぬなんて、簡単に言ってはだめだった。
どんなことがあっても、絶対に死んではいけない。
私は、まだ生きていかないといけない。
この場所がさっきまでは怖くなかったのに、とてつもない恐怖を感じた。
フェンスを掴む手が震える。
「えー何ー?
今更死ぬの、怖くなっちゃった?」
「……私、生きなきゃ。」
「は?死ねよ。
さっさと飛び降りて死ねよ!」


