「飛ばないのー?
死ぬ勇気も、ないんじゃん。」
上村さんが舌打ちをした。
それから、手を叩いて、死ーね、死ーね、とコールを始めた。
それに釣られるように、取り巻きの人達に広がり、少しずつクラスの人全員に広がり、大合唱になった。
改めて、死ぬんだなと今更ながらに実感した。
最後に、別れを告げたいと思った。
ありがとう、愛華。
ありがとう、栞。
ありがとう、雪村くん。
ありがとう、伯母さん。
ありがとう、空。
ありがとう、先生。
ありがとう、天国のお母さん。
ありがとう、天国のお父さん。
「ありがとう」
何度言っても足りない。
ふっと上を見た。


