私だって、好きで生き続けているわけではない。
死ねるなら、と思って何度も手首も切ろうとしたし、踏切で立ち止まったりしてみた。
それでも、死ねなかったのは、弱いから。
私は、死ぬ勇気すらない。
「……あんな奴、生きてる価値ねーよ」
「ふざけすぎでしょ」
「親がかわいそう」
本当に、その通りだ。
私が生きていても、誰も喜ばない。
「死んじゃいなよ。楽になるよ?」
上村さんは、不吉なほどに艶然と笑った。
……悪魔みたい。
誰も死んだことがないのに、今は本当に楽になれる気がした。
もう、こんな痛い目線も、浴びていたくなかった。
心が動かされた。
まさか、上村さんの言葉に魅力を感じる日が来るとは思わなかった。


