どうしてだろう。
窓から体を乗り出して、辺りをきょろきょろ見回すと、凄く明るい丸い光が見えた。
……ああ、今日は満月だ。
満月の明るさで、他の星が見えなくなっていたのだ。
月の凹凸までよく見える。
……雪村くんも、見ているのかな。
すぐに、どれだけ雪村くんが好きなのかと恥ずかしくなってそれを考えることは止めた。
これは好きな人と見られたら幸せで仕方ないと思う。
それほどに、今夜の月は幻想的だった。
今にもドビュッシーの月光が流れてきそうだ。
西の方を見ると、もうすぐ沈みそうな明るい星があった。
月光をものともしない、あの強い輝きに、私は無性に近づきたくなった。


