「……そうか、よかった。」
私の嘘に気付いているかは分からない。
でも、今は何も言わないでいてくれる気がした。
「ありがとう」
「え、なんで?」
何でって言われても、自分でも何でありがとうと言ったのか、よく分からなかった。
「……なんで、だろうね。」
「今日の星野、なんかいつもと違う。」
電話越しに笑っていることが分かり、決して不審に思っているわけではないのだと安堵した。
「……言いたくなったのかな。
いつもありがとうって意味だよ。」
紛れもない本心だ。
ありがとうは、言いたい時に言えばいいのだ。
そう自分に納得させた。
「はは、こちらこそ。」
「じゃあ、また明日のテストも頑張ろう。」
「おう。」
「おやすみ。」
「ん。」


