苦手な生物を暗記している時、電話が鳴った。
たぶん、雪村くん。
画面を見ると、やっぱりそうで、心臓が高鳴った。
何度も見た文字の羅列なのに、毎回どきどきする。
「……もしもし」
「あ、星野?」
「うん。」
いつも最初は必ず声が震えてしまう。
「今日のテスト、どうだった?」
「んー、まあまあかな。
世界史の記述が少し自信ない。」
「あー、それ難しかったよな。
ヨーロッパの近代、まじでいろんな国が出てくるから大変なんだよなー。」
「はは、分かる。」
しばらく雑談が続いた。
「……大丈夫だった?」
深刻なトーンになり、何のことかが嫌でも分かってしまう。
「……一応、ね。」
上村さんと目が合ったことは、今は伏せておきたい。
テスト期間に余計な心配をさせたくないし、何より学校に行かなかった意味がなくなってしまう。


