チャイムが鳴った。
先生が解答用紙を回収して、休憩するように言った。
ふーっと長い呼吸をして、席を立った。
……最後の問題、いつもと違った。
いろんな意味で。
出題の感じが、今までとガラッと変わっていた。
入試問題に近づいていたな。
気付かないうちに、いつの間にか私はもう世間でいう受験生に仕立てあげられていたのだ。
世の中の高校2年生は、とっくにそんなことを自覚しているんだろうな。
私もそろそろ本格的に対策しないと。
窓の外を見て、ぼんやりしていた。
……あの雲、何ていうんだっけ。
刷毛でサッと画用紙に描いたような。
確か、雪村くんが教えてくれた。
いつの間にか、何も思わなくても空を見上げる癖がついてしまった。
何も感じられなくても、月の満ち欠けや、空模様を気付いたら見てしまっている。


