「……まあ、いろいろ。

今は秘密。」


「ふうん。まあいいや。

じゃあまた今度。」


あまり気にしていないようで、安堵と少しの不満が押し寄せた。


「うん。おやすみ。」


「ん。」


電話を切ると、顔が上気していた。


もっと話していたいような、それでいて恥ずかしいから早く電話を切りたかったような。


恋って矛盾だらけなんだな、と思いながら数学の問題をあと1問解いてから寝ることにした。


でも、雪村くんとの会話ばかりが頭の中でリフレインして、勉強はなかなかはかどらなかった。


かなり重症かもしれない。


ほうっとため息を1つ吐く。



高校2年の秋、私は初めて恋をした。