彼女達は舌打ちをして帰っていった。
「大丈夫?」
「……うん、来てくれたから……。」
「あ、あの、ありがとうございます!
来てくれて。」
愛華の言葉にいえいえなんて呑気に頭を下げているけれど、肝心なことが分からない。
「……なんで、分かったの……?」
「あの女の子が星野の携帯を使って呼び出したんだよ。
自分達では無理だって。」
「……そう、だったの。」
「でも、出来たな。」
「うん、頑張った。」
本当はとても怖かった。
でも、それ以上に大切な人がいなくなることはもっと辛いから。
「あ、じゃああたし、栞送っていくよ。
何も出来なかったから、これくらいやらせて!」
いつもの調子に戻った。
「うん、ありがとう。」
「じゃ、ごゆっくり!」
何のことだかよく分からないと思っていたら、栞を連れて既に帰ってしまった。


