信じられなかった。
私が誰かの為に自分を犠牲にするなんて。
「アンタの度胸に免じて教えてあげる。
そうだよ、何かあったよ。
こいつ、いじめられて不登校になったんだよ。」
……私達は、同じだった。
「もう、止めてください……。
栞は、ぼろぼろなんです。
……お願いだから、これ以上、手を出さないで!」
誰かが栞に近づいた。
「……止めて!」
このままではまた暴力を振るわれてしまうから、栞をきつく抱き締めた。
来たる痛みに備えてぎゅっと目を閉じた。
でも、痛みはいつまで経っても来なかった。
目を開けると、信じられない人物がいた。
……雪村くん?
「……どう、して……?」
「あなた達、集団で誰かをいじめるのはみっともないと思うよ?
防犯カメラもあるから、これ以上やると捕まるよ?」


