いつもの集合場所に行くと、2人はもう来ていた。
「ごめんね、遅くなって。」
「大丈夫だよ!行こ!」
愛華達はそうやっていつも優しい。
事情に深入りしてこないその気遣いが嬉しくもあり、切なかった。
「勉強してきたんでしょ?」
栞が言う。
「んー、まあ。
勉強だけは頑張って大学に行きたいから。」
「えらいなー、陽は。
あたし達、もう勉強しないで何年経ってるんだってくらいに勉強してないよ!」
愛華がカラカラと笑う。
「やー、でもわたしもそろそろ勉強しなきゃなーって思い始めていたんだよね。」
「まじで!栞、本気?」
「ちょっとくらいは教養も身に付けとかないとねえ」
私だけじゃないんだ。
学校に行きたくなくても、勉強だけは続けたいっていう人。


