1人になった帰り道、ふと空を見上げた。
……私、いつから空を見なくなったんだろう。
空だけは、何も変わっていなかった。
変わったのは、私。
何を勘違いしていたんだろう。
学校を飛び出したあの日、私は全てから見放されたようだった。
空を見ても、青く澄んだ空は見下しているようにさえ見えた。
嘲っているようにも見えた。
それからしばらく、今日まで空を見なかった。
唯一の味方に、また見放されたらそれこそ私は死にたくなりそうな気がしたから。
でも、たった今私はいとも簡単に空を見上げられた。
まだ、生きている。
秋の夜空は大きな星はそれほど見えないけれど、美しかった。


