フェンスからなかなか離れない私に気付いたらしい。
「そっか、戻りにくいよな。」
「どうしよう……」
「……落ち着いて。」
不意に雪村くんが立った。
「行くぞ。」
その笑顔はあまりに眩しかった。
道に迷わないように差し出された手を握るしかなかった。
雪村くんが走り出す。
「えっ、ちょっ!」
「走れば、怖いものなんてない!」
そう叫んでドアを開けた。
私達は階段を駆け下りる。
先生達に何度も怒られそうで嫌だった。
でも、それ以上に楽しかった。
「……教室。入ろう。」
「……え、それは……」
言い終わる前にドアを開けられてしまった。


