上村さんが席に戻った途端に朝の活気ある空気が戻ってきた。
「教科書取りに行こー」
「やべっ!宿題やってねー」
「教科書借りに行ってくる」
私だけを置いて、時間はどんどん進んでいく。
床に座り込んでいると、うっとうしいとでも言いたげな目線ばかりが飛んできて、立ち上がった。
教科書を出そうと机の中に手を突っ込んだ。
……ない。
今まではどうにかして授業に参加してきたけれど、今日は頑張る気になれなかった。
チャイムが鳴って、先生が来て、授業が始まっても、私は机の上に何も出さずに窓の外を見ていた。
しばらくすると、先生が注意してきた。
そりゃあ怒るに決まっている。
でも、それすらもどうでもよくて聞き流した。


