歩み寄ってきた上村さんは私の髪の毛を掴む。
いつもの如く、何本か抜ける音がする。
目の前の彼女は美しかった。
飛びっきりの美人ではないけれど、それすらも気にならないほどの魅力を備えている。
自信のある人は、こんなにも美しい。
自分の今の顔を鏡で見たくなった。
ものすごく醜いのだろう。
「……何笑ってんの。
星野さんて、何考えているか読めないよねえ。」
上村さんが笑った。
決定的な上下関係がここにはある。
常に優位に立つ上村さんと、常に逆らえない私。
同じだけの時間を過ごしてきたのに、どうしてこうも変わってしまうのか。
この現実が悲しい。
今も、私がどうなるかは彼女に委ねられている。


