「……おかしいよね、こんなの。
痛みも、感情も、何もかも失くして。
なんか、自分でも人間らしくないって思う。
……死んだみたい。」
「……生きてる。
星野は、ちゃんとここで生きている。」
雪村くんは、言い聞かせるように言った。
「ここにいる限り、星野は生きている。
死んでなんかない。」
こんなことまで言われたら泣いてしまうのだろう。
でも、泣けなかった。
私は人間としての優しささえもなくした。
代わりに、冷たい心しか残らなかった。
「……はっ……
ごめん、泣けない。」
いつからこんなに心が冷めたんだろう。
下を向いた時、温かい手でボロボロの手が包まれた。


